来歴

fujita_masahiro

藤田政博(ふじた・まさひろ)

関西大学社会学部心理学専攻教授。東京大学法学部卒業、大学院法学政治学研究科博士課程修了。 専門は、社会心理学・法と心理学、法社会学。研究では、社会心理学を司法の問題に応用する研究をおこなっている。
専門は、社会心理学、法と心理学、法社会学。著書に、『司法への市民参加の可能性――日本の陪審制度・裁判員制度の実証的研究』(有斐閣)、Japanese Society and Lay Participation in Criminal Justice(Springer)、『裁判員制度と法心理学』(共編、ぎょうせい)、『法と心理学』(編著、法律文化社)などがある。

集団意思決定研究を司法における問題に応用する研究からキャリアをスタートさせ、個人の意思決定にも関心を持つ。専門書/論文執筆多数。国内外の学会賞を受賞。研究の傍ら自らの日常でも、心理学と経済学における意思決定研究を活用し、研究や職業上、業務上の意思決定をおこなってきた。その経験を活かし、意思決定研究のエッセンスを一般に広めるための方法を調査し、MBAにおける意思決定講座のカリキュラムに行き当たる。以上を融合させ幅広いビジネスパーソンに科学的意思決定のスキルを広めている。
主な著書に『バイアスとは何か』(ちくま新書)、『サクッとわかる ビジネス教養 認知バイアス』(新星出版社)などがある。

より詳しい来歴については「こちら

研究者

現在までの研究業績は「こちら」(英語)
日本語は「こちら

主な所属学会

  • 法と心理学会(副理事長・副編集委員長)
  • 日本法社会学会(理事)
  • 日本心理学会
  • 日本社会心理学会
  • 日本グループ・ダイナミックス学会
  • 日本犯罪心理学会
  • 日米法学会
  • 法と経済学会
  • Law and Society Association
  • Asian Law and Society Association
  • Decision Sciences Institute

研究者・教育者

1999年に大学の授業の補助で入って以来、2003年の心理学実験実習の授業の単独での担当以来、大学での授業を担当。 2010年から2024年度まで担当していた社会心理学の学部学生向け授業では、300人〜1000人の受講生を数える。授業評価アンケートでは常に90%以上の満足度。授業改善点は「特になし」「シラバスの記載」。(シラバスの記載内容についてはフォーマットが決められているため) 大学・大学院での個別指導を実施。これまで学部卒論生で100名以上、大学院で10名以上の修了者を輩出。

研究書だけでなく、一般向け書籍を執筆。 現在、関心が高まっている「認知バイアス」についてわかりやすく解説しています。

一般書

リーダーのための【最新】認知バイアスの科学

その意思決定、本当に大丈夫ですか?(2024年秀和システム)
ビジネスリーダー向けの、認知バイアス対策ができる本! 認知バイアスとは何かという基礎から分かりやすく解説します。 旧ジャニーズ事務所事件など、豊富な事例を認知バイアスで読み解きます。 すぐに活用できる予防や対策のアイディアも豊富で、リーダーのための転ばぬ先の杖!

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サクッとわかるビジネス教養 認知バイアス(監修)

(2023年、新星出版社)
認知バイアスとは何か?をイラストで理解する本! 見開き一つにつき1項目で主な認知バイアスを解説。 ポイントを押さえた文章とイラストで、サクサク理解できモヤモヤが解消します。

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『バイアスとは何か』

(2021年、筑摩書房)
普通の入門書では物足りない、というあなたに贈る、本格的な入門書。 平易でわかりやすい文章でありながら、中身は大学の心理学の専門課程の水準です。心理学の前提知識なく読むことができるのに、本物の心理学の知識と洞察が身につきます。 15年間の講義の経験を下敷きに、初学者がわかりにくいと感じるポイントを知り尽くした著者がやさしい例えで解説。 そのため、中学・高校・大学・大学院の入試や中学・高校・大学入試予備校の現代文の教材や模試の題材として採用多数。 本書は単なる知識の解説では終わりません。終章では、私たちがこの世で生きる意味とは何かという問題に、認知バイアスという観点から切り込みます。 「心理学の入門書だと思って読んでいたのに感動した」というご感想もいただきました。 徹頭徹尾、「バイアスとは何か」という問いに答えた本です。

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研究書(単独執筆のみ)

『司法への市民参加の可能性』(有斐閣、2008年)

東京大学に提出した博士論文を書籍化したもの。裁判員制度が始まる前に、日本の陪審制度を歴史的文献で振り返り、集団意思決定実験や社会調査で裁判員制度がうまくいくための条件を探ったもの。

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『Japanese Society and Lay Participation in Criminal Justice』(Springer, 2018年)

2000年から2016年頃までの裁判員制度に関わる研究成果をまとめた英語書籍。司法への信頼についての社会調査も含む。アジア犯罪学会、日本法社会学会で学会賞を受賞。

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ほか、分担執筆研究書多数

教科書(分担執筆)

『法と心理学』(法律文化社、2013年)

編者として法と心理学分野全体にわたる教科書を出版。 – 日本で最初の法と心理学分野での教科書。大学3年次以上や大学院での利用を想定。

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『入門 司法・犯罪心理学』(有斐閣、2018年)

大学の学部2年次又は3年次で、はじめて司法・犯罪心理学を学ぶ学生向けの、授業での使用を想定した教科書を編者・著者として出版。 – 法律制度の解説だけでなく、必要な法理論の説明を、心理学と有機的に連携させて行う。バランス良く学べる1冊。

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研究・教育

大学・大学院での論文指導は、2年以上にわたるコーチングといえます。

全く論文を書いたことのない大学生にゼロから指導して自分でデータを収集・分析して数千字1万字程度の卒論が書けるようになります。
研究者として独り立ちできる水準の大学院生まで指導してきました。 論文は、パソコンに向かってキーボードを叩くだけでは書けません。書くべき内容の収集と整理が必要です。
まず、なによりも問題設定、つまり自分で「これは意味がある」と思える問題を創り出すことから始まります。 文献収集はもちろん、実験をして参加者の方々に作業をして頂いたり、質問紙(いわゆる「アンケート」)を企画、実施します。実験は企画・リソース手配・ロジスティクスの考慮・当日それらを自分で実施し参加者がスムーズに参加できるような細かい道具の準備・参加者の接遇や説明など、段取りよくプロジェクトを進めていく能力が求められます。
終わった後は分析に使用できるデータと使用できないデータを、当日の行動や回答傾向を元により分けた上で統計分析を行います。人間が行った回答をより分ける作業には、人間についての深い洞察がなければできません。

このように、論文を書くための努力と時間の大部分はキーボードを叩く以外のために費やされます。 このようにして実施する研究プロジェクトも、実施中から常に批判にさらされます。
問題設定に意味がない、実験の計画に手落ちがある、実施で失敗している。結果の解釈には異議がある、等々です。 学問上の健全な批判はあって当然のものですので、適切に対処し批判を受けても自分のしていることの価値を信じるタフさが求められます。
心理学では、研究の膨大な背景情報を理解した上で調査や実験を行い、結果を集め、分析することが必要です。 すなわち、プロジェクトマネジメントのスキルが必要になります。それは、卒業論文や大学院での学位論文を執筆する学生も同じです。

そのため、私は、学生に対してプロジェクトマネジメントの方法とスキルを指導してきたとも言えます。大学院生に対して、プロジェクトマネジメントのスキルと論文執筆のためのプロレベルの情報収集法、整理のスキルと方法、学会発表や学会における人間関係構築などについてアドバイスしています。

コンサルティング

心理学の研究を生かし、人材開発研修会社にコンサルティングを実施。これまでの研修経験を生かし、より高度な研修を開発できるよう、データ分析・アドバイスを行っています。 AIに関する法的バイアスに関するコンサルティング等をお受けしました。 データから新たな知見が引き出され、取引先に新しいご提案ができたり、新しい研修商品のアイディアが生まれたりとお喜びいただいております。
そのほかに、司法と心理学の知見を生かした防犯関係のコンサルティング、バイアス関係の認知心理学を活かした機械の操作の仕組み構築で気をつけるべきことなどのコンサルティングをお受けしました。

講演

ご依頼を受けて、会社様、ビジネスパーソン向けの講演や学術的講演を行っております。
最近の講演実績 2023年7月13日 一般財団法人ナレッジキャピタル ナレッジサロン木曜講座
https://kc-i.jp/activity/salon-event-report/thursday-salon/20230713/ 2024年6月8日 京都FMgig
2024年9月10日 (公財)監査役協会 2024年9月26日 JBC(日本ビジネスコンソーシアム)

講演やメディア掲載関連のニュースについては「合同会社藤田総合研究所」ウェブサイトもご覧下さい。